オーバードーズその後ですの。2DATA: 2020年1月14日火曜日入院までして断ち切ったリタリン。 しかしわたしは退院して三日後に、 リタリンについて何も知らない個人経営の小さな内科をだまくらかし、 一日16錠分のリタリンを入手してスニッフした。 だが、リタリンにズブズブはまっていたわたしには、 それくらいの量ではまったくこと足らず、 5軒の精神科と1軒の内科、合計6軒の内科をまわり、 大量のリタリンをスニッフするようになった。
「リタリンをまるでラムネのように喰う女」
入院前にそのような言葉を2ちゃんねるだったかに書き込まれたことがあったが、 それはあながち間違いではない。 トイレに行くのにもスニッフ、シャワーを浴びるのにもスニッフ、 しまいには精神刺激薬であるリタリンなのに、 寝るときにまでリタリンをスニッフしないと、眠ることができなくなった。
彼氏には悪いと思った。 だから隠れて吸った。 しかし、時がたつとともに、だんだん罪悪感も薄れていく。
退院後、友達カップルが退院祝いに鍋パーティーをしてくれた。 「頑張ったな!」 頑張れてなんかいない。 わたしはその退院祝いの席でさえ、リタリンをスニッフして、 友人カップルを失望させたのだ。
しかし、わたしが出演したNNNドキュメントで、 まったく精神薬について知識がないような医者が、 番組内でリタリンのことを「覚醒剤です」と言い切ったことによってなのか、 リタリンが強く問題視されるような風潮が流れはじめた。
リタリンを出すこと、それを非常に嫌がる医者は多い。 そんな中、それを出してくれる6軒の医者を見つけたはイイものの、 だまくらかした小さな内科以外、リタリンを出し渋るようになってきた。
「簡単にリタリンを処方していたのに今更かよ…」 「お前らがそんな簡単にリタリンを出すから依存したんだろうが…」
頼み綱は内科だけ。 しかし、ここでもまた製薬会社のチェックがはいったようで、 「あなたウソをついていたわね」 「ウチではもう出せません、大学病院への紹介状を書くからそこに行って」 そうしてリタリンを入手することができなくなった。
リタリンリタリンリタリンリタリン。 アルコール依存症者が酒のことしか考えられなくなるように、 わたしも日々生活のなかで、リタリンのことしか考えられなくなった。
どんどん少なくなっていくリタリン。 やわらかめの胃腸薬とミントの結晶を混ぜ砕いてスニッフする疑似行為で、 なんとかリタリンへの欲求を抑えようとしたりもした。 だがリタリンは、そんなもので簡単に欲求を、我慢できる代物ではなかった。 ある日、最後のリタリンをスニッフした。
「もう、本当に終わりだ」
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