オーバードーズその後ですの。5DATA: 2020年1月27日月曜日「くさい」
わたしはお手軽に快楽を得られるものの、 コスパ的にも効きめ的にもハーブに劣るパウダーをやめ、 当時、溢れるほどネット上に存在した合ドラショップから通販し、 ハーブ一辺倒で、吸って吸って吸っては吐いてを繰り返した。 ハーブのそれは、クサと同じように独特な匂いが残るし、パイプにヤニのようなモノもつく。 一日1袋ペースでハーブを吸っていたわたしに、 彼氏は「くさい」匂いと何かを感じたようだった。
「よーちゃん、なんかやってる?」 どう言い訳したらよいのか絶句して、 間をおいてわたしは言った。
「ごめんね、合法ドラックをやってる、ダメかな?」
ここでニアミスとでも言うのだろうか。 彼氏は北海道のド田舎出身だった。 どこにでも大麻は生え、当然自分も回りもそれをキメたことがあったようで、 クサには妙に理解があることを初めて知った。
「周りはみんなやってる。ただ、俺は理性が飛ぶ感覚に耐えられないからしない」
そう言った彼氏がせめてものカラダを気遣ってくれる行為なのか、 どこぞのショップから、水パイプを買ってきてくれた。
「わあ! なんか澄んでる!」
初めてキメた水パイプのハーブは、 彼氏から「くさい」と言われたそれを浄化してくれ、 上等なクサを吸っている感覚になった。 そこからわたしは、ハーブにズブズブにハマッた。 だって、合法で彼氏も認めて自分も気持ちよくなれるモノなんだもの。
何か月、何年、それは日時感覚がおかしくなっているから覚えていない。 わたしはいつものように、赤いベットの上でソレを吸っている瞬間、 突然、わたしのベットに手榴弾が投げ込まれた。
「あ!」
精神病棟入院時に、ルパン三世の次元に拳銃を向けられ打たれたことはある。 その時と同じリアル感で、突然ベットに手榴弾が投げ込まれたのだ。 一発、投げ返したら大丈夫だとテレビで言ってたから 反射的にそれを投げ返した。 だが、二発目三発目もが投げ込まれる。 わたしはベットから少し半れたテーブルに思い切りジャンプした。 死ぬから。 テーブルで頭を打った。 流血したようだった。 でも、そんなこと命に代えたらどうでもよかった。 暴発する感じはなかった。 その後すぐに、家角部屋からの窓が真っ赤な閃光に染まった。 原爆が落ちた。
CATEGORY:
未分類
|