怖い話
DATA:
2011年9月2日金曜日
夏が終わる前に、
いくつかタキモトヨォコの経験した怖い話しをしても、
イイかな?(いいともーーー!)
わたくし、基本、霊感とかないと思うんですけど、
いくつかこれはバケオ現象ですかてのがあって。
ちょっとだけですが、秋来る前に書いてみる也。
<防空壕>
えーと、高校卒業して2年くらい経った頃でしょうか。
わたし、専門学校の学費をためるため、
高校時代、中退した女友達がママをやってる、
スナックでバイトさせてもろてたんです。
結局、マネーが若干足りず専門学校には行けなかったんですが。
んで、高校卒業後も、そのスナックへ飲みに行ったり、
イベント時期には手伝いしたりで。
ママが我友達なんですが、
マスター、いわゆるオーナーさまは、友達の彼氏で。
ありがちだネ☆
んで、マスターの実家が高知なんですが、
店、お盆休みとってる期間に、
友達がマスターの実家へ行くことになった。
「お願い! たこさん、一生のお願い!」
「一緒に来て!!」
わお!
あんた達、結婚しますの伏線張りに行くんでしょ?
そんなとこ、わたし行ったらアカンでしょ!
「ムリ、絶対ムリ、怖い、1人ムリ、お願い!!」
根気負けして付いていくことに。
沈没しそうな船にポッポポ乗り、
マスターの実家、高知県に行きました。
スゴいの。
飲み屋はどこかと聞いたなら、
車で3時間ぐらいかかるって。
なので、酒好きオヤジらの唯一の憩い場は、
船着き場にあるお菓子屋さんみたいな店に、
ベンチを置いてみましたよってとこで、
そこで、わはははと酒飲んでいる。
そこを、付近の住民は”スナック”としていたらしい。
ほかに、遊べるようなところもないし、
マスター実家でウゴウゴしてるしかなく。
んでね、その家ってのが、
なんか山を削ったとこに建てられた家で、
二階のトイレの窓から、見落としたところに、防空壕がある(一階にも二階にもトイレがある)。
なんか、そういう、複雑な地形。
戦時中、戦火を避けるため、そういう風に作られたって言ってたかな。
まあ、んで、夜はメシ頂いて、
わたくしは関係ないからエラいこっちゃ気楽に酒あおり、
エラいこっちゃ眠たくなり、
私たちの寝場所として与えられた二階で寝た。
グースカピー
何時間くらい寝てたのか分からないが、
ハッと目が覚めたら、
マスター&友達も隣の布団で寝てた。
んーーー、よく飲んだいっぱい飲んだ!
尿意!
二階のトイレへはいる。
ほとばしる尿。
いつ、止まるねん、永久(とわ)!?
って、自分でもビックラするくらいほとばしったよ。
「あふー……」
お風呂湯につかった時みたいな、
ほっこり安堵の溜め息交じりで立ち上がる。
右横には、防空壕の見える窓。
窓が開いてたので何となし外を見たら、
防空壕入り口に誰か立っている。
「ヒーーッッッッ!!」って叫ぶよりも、
その正体を確かめたいが勝ち、
見る。
見る。
「あ、そか!」
こちらに背を向けていたから後ろ姿しか見えないけど、
もんぺ着て防空頭巾巻いたおばあちゃんが、
手を合わせて祈ってるようだ。
そかあ、お盆やもんなあ。
戦争で誰かをなくしはったおばあちゃんが、
お盆やからお参りに来はったんやな。
それやったらちっともおかしくない。
そかそかなるほど。
と思いながらも、おばあちゃんの後ろ姿に目を奪われ凝視。
ジーーーーーッ、
「……え?」
ハッとした。
グッとはきてない。
お盆やからお参りにくるのは理解できる。
でもね、
でもね?
なんで、戦時中でもない今、
ツギハギのもんぺ履いて頭に防空頭巾巻いて、
なんで戦時中まんまの格好で……。
しかも、エラいこと夜中に……。
ゾゾゾゾゾッて一瞬で全身粟立ったけれど、
なんでか目が離せないガン見凝視凝視。
滅茶苦茶コワいのに目を離せない。
と、防空頭巾巻いたおばあちゃんが、
くるりとこちらを振りかえ……。
「うわあああああああああ!!!」
鬼ダッシュでトイレを出た。
目を合わせたらダメだ!
絶対、目を合わせてはいけない!
なんか、そう、思ったのです。
部屋へ戻り、
友達の布団に潜り込んだ。
ちょっ、起きてっ、聞いてっ、防空壕におばあちゃんが!
マスター「ゴメン! たこちゃん! 今、イイとこ!」
手マン中だった。
あ、こっちこそゴメンって自分の布団に戻って寝た。
おしまい。
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