マトモにお仕事を考えた
DATA:
2010年12月4日土曜日
昨日の昨日、風邪で鼻水詰まりで眠れんくて、
しゃあなく部屋片付けしてたら、
東京に来てからのスケジュール帳が全部見つかった懐かしや。
「ほう」と思い出に浸ったりしたりしましたのだけど、
自分でもバカぢゃねえかというくらい、
エロ時代のスケジュールが極悪だった。
そりゃ、徹夜じゃねえとムリだわ寝れねえわ入稿遅れるわと思うたのだけど、
今だから気づくいろんな自分のダメっぷりがよーく分かった。
まず、頂いた仕事をしんどいとかのレベルでなく、
物理的にキャパオーバーなレベルで全部受けている。
もうね、元々断ったりとか電話を先に切るとかできない方だが、
それだけでなく怖かったというのが一番大きい。
フリーだと仕事断ると、もう二度とそこから発注がこないとも聞いていたし、
自分的にもそうだと思っていたから断ったことが一度もない。
新連載の話しを断られたことはあるけど!
もうですね、これ物理的に原稿間に合わすのムリなのに、
それでも「あ、大丈夫です、ありがとうござっす!」って、
反射的に言う、「ッス」「っすか!」の体育会系で受ける。
ので、間に合いません、遅れまくってた。
入稿押し押しで相方の実家に行く飛行機、
3回チェンジしてべらぼうな金がかかったこともあった。
もちろん、わたくしが遅れたのが原因なので、
相方分の飛行機代も払うのですが、
押したのとタキ仕事の都合で1泊2日帰り。
初めて、お父様&お母様との顔合わせだったので余計焦った。
飛行機代くらいはね、わたくし結構稼いでたから痛くなかった。
金で時間買った感じだ。
ムリなのに断れなくて仕事欲しくて、
それで受けて案の定後れ、迷惑をかけるというスパイラル。
で、ですね、これはもうほんとアカンのんですけど、
自分が編集者やったんで、本当のリミットとかがだいたい分かり。
入稿後れたら初校で、
初校後れたら再校で、
再校後れたら念校で、
念校後れたら校了で、
校了後れたら責了で、
責了後れたら色校で、
(順番間違ってるかも)
って、どこかのタイミングでいれたら何とかなると思い、
それで余計にタチが悪くなってしまう。
まだ、イケるやろって。
写植でやってた時代ならまだしも、
時代はデジタルだったので余計に甘えた。
あーーーー、
こんなんやってたら、そら怒られるわと呆れられるわと思うけれど、
最悪な体調で極悪なスケジュールで加えて精神病持ちで、
そらムリですよと今見ると思うのだがその頃は分からんかった。
あと、原稿の文体にも戸惑った。
なんちゃらウォーカーとか、一般情報誌なら簡単なんですよ。
要チェック! やら なんちゃらだゾ! とか
署名じゃない場合は、雑誌の色に合わせることが鉄則なので。
我を出したら、全部まとめてリテイクくるのは分かってる。
なので、その雑誌をサクッと読んで文体掴めばサクッと入稿できる。
問題なのは署名原稿で、
始めのほうなんかは我文体を掴めなかったので焦った。
無署名なら雑誌の色に合わせるのがルール。
しかし、署名ならば自分の色を逆に出さないといけない。
じゃないと、わたし名指しで発注する意味がない。
これが掴めなくて探り探り。
だから、始めのほうの署名原稿なんて、
あの雑誌この雑誌で全然文体違ったりするし、
すごく、小難しく書くのがカッコイイて思ってた。
でも、そのうち気づくし分かる。
「まずは、誰にでも分かる文章でないといけない」
サラッと読める単純な文章で漢字は開きめで、とかをまず取得。
これは今でも思う、絶対条件だと思う。
小難しく書いた文章を改めて見たら恥ずかしくて死んだ方がヨシ!
余計にバカなのがおおいに現れていてアーーーッて叫びそうになる。
単純な文章、それに加えるのが自分の色で、
わたしの場合は下ネタとかパッパラパーとかアホ丸出しな感じ、
とか、文章のテンポ。
そんなのが自分的にも楽しいし書きやすいし、
色になったのでクライアントからもそういう文体でと言われる。
そこにたどり着くまでがけっこうあって、
なので初期の署名原稿は、編集者がOK出してんのに「リライトさせて下さい!」。
原稿書くよりリライトの時間のほうが大幅にかかって、
ほとんどの文章を一から書き直してた。
もう、向こうにしたらイイ迷惑だろうけど、
自信がないので何度も何度も書き直してしまう。
今は、それがあんまない。
文書が上手になったとかそういうワケではなく、
初期衝動的な文章のほうが自分的に面白いと思ったから。
それだけです。
リライトリライトのスパイラルで寝る時間ないのにさらに寝る時間潰し、
原稿や取材やすべてのものが後れていく悪循環で。
それでも新たな発注がきたら必ず受ける。
後れるのに。
でもって、その頃わたくし、
すっごく寝てない自慢だった。
昨日もその前も貫徹なんですよ3日目なんすよ〜。
どれだけ寝てないかをアピ−ルして許しをこう。
出版社勤めや編プロ時代もそうだったんですけど、
寝てないのが頑張り屋さん、的な感じがあった。
あれね、徹夜者がいるとなんか分かるんですよ。
編集部内の空気が淀んでる。
あれは、入った瞬間一発でわかる。
んで、「瀧本、頑張ってるな!」とか言われたら嬉しかったり。
今考えたら、それがバカですよ、バカバカ。
定時しっかりに来て定時しっかりに帰る人がいたんですが、
んで社長は「あいつは!」みたいな感じで憤慨してたんですが、
時間内にキッチリ仕事おさめることが真っ当であって、
定時に帰るからやる気がないとか責めるのは全然違う。
時間内におさめられる、それが実力あるってことですよ。
ダラダラ仕事後れるから時間内に帰れないのであって、
徹夜せず定時に帰るが一番仕事デキる人と思います。
あと、頼む立場で言えばこれもいけなかったんだろうか。
自分がライターあがりの編集者だったので、
お仕事頼む人の精神状態やら寝てないやらが分かって、
「サバは読みません、これが限界です」って最終〆切を伝えてた。
なので、順番後回しになっちゃうんだろう、
後れはることは多々あり、けど責めれなかった。
「編集は謝るのも仕事っすよ!!」って言ってしまう。
わたしが印刷所に頭下げればなんとかなる、
ならば、なんぼでも謝るからイイ文章下さい!!
って思ってたし、多分今もこれはやってしまう気がする。
本当は、ダメなんだろうけど。
で、それを求めてた気もする。
あーーーーー、何が言いたかったんやろう。
ただ、昔のバカ仕事時代がバカやったわん、ということかしら。
キャパ超えた仕事を断る勇気が今はあるのかと問われればナイ。
けど、期日を守ろうとけっこう強めに考えました。
補足ですが。
前出の、新連載断られたとこって、SMスナイパーなんですよね。
企画ガンガン出してイイネイイネソコまで出来るの!? とかなって、
次号告知のための写真を撮ることになり、
出版社内にスタジオがあるので来てと言われたんですが、
わたくしその日、また徹夜3日目とかで曝睡してしまい、
予定時間に起きるという失態を。
で、ほかにイイワケあるだろ! と思うんですが、
バカ正直に「〆切後で寝てしまいました! すいません!! 今スグ行きます!」
だらね、言われたんですよ。
「時間を守れない人に仕事は出せません」
「これが初めての遅刻だったとしても、我社では不可です」
って、連載の話しはおじゃんになったんですけど、
わたし、これは「最もだ、正しい」と思いました。
エロ本やってるとことか緩いんですよね、時間の感覚が。
こっちも後れるし向こうも後れるしとか、
時間が決まってても決まってないようなもの。
お互い、それでOKな雰囲気があっておんぶに抱っこで、
それが普通だと思ってたんで、スゴくなんと言うか、
「SMスナイパーはスゴい!」って皮肉じゃなく本当に思った。
だいぶ前の話しですが、正しい会社だと思った。
後れるの後れられるのアリアリだったんで目が覚めた。
エロ業界って、こっちがAV嬢さん依頼しても当日ムリとかバックレとかも普通だったんで、
自分も他人もそうで、それが普通の感覚になってたところがある。
なので、「スゲえ」と思った。
あーー、長くなっちた。
昨日の昨日に見たスケジュール帳は意義あるものでした。
わたし、ちゃんと納期守ろうと思いました。
否、
こんな時に限って仕事がねえよ!!
スケジュール帳事件にて、きっとわたくしは生まれ変わってるハズよ。ハズハズ。
これ読んだ編集者様、newタキモトに即バンバカバンバンビガロに仕事くれ今日中にワンマンショーで!
と思いながら、mixiとかやってますヒマで。
パピプペペポパポ!
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